多くの人を魅了するショベルヘッド

ハーレー・ショベルヘッドの概要

日本では、ハーレーダビッドソンの認知度がかなり高く、熱狂なハーレーさんも沢山いらっしゃるようです。
ハーレーのバイクは、高級感もさりながら、乗っているだけでステータスを感じるマシンといえます。
そんな、ハーレーの心臓部となるのが、ハーレー独自のサウンドを叩き出すエンジンです。

ショベルヘッドとは、ハーレーダビッドソンの主要エンジンで、「キング OF キング」とも称されるエンジンです。
クラシックハーレーを、好んで乗る方もいらっしゃるように、よく言えば躍動感のある鼓動、悪く言えば荒々しくもうるさい ! そんなエンジンがです。

ショベルヘッドの由来

ショベルヘッドとは、ロッカーアームのカバーの形状が、正面から見るとショベルに似ていることから名づけられました。
誕生したのは、1957年の事で以来29年間、つまり1986年までで現役だったエンジンなんです。
ショベルヘッドは、ハーレーダビッドソン社のエンジンで、OHVの第3世代にあたります。

OHVとは、オーバー・ヘッド・バルブの略称で、4ストローク機関の吸排気弁機構の形式の一つです。
先に述べた通り、ショベルヘッドは長きにわたり、ハーレーのエンジンを支えていきますが、トラブルも多かったことから、苦境に立たされていくことになります。

ショベルヘッドにはタイプの違うモデルがあった

実はショベルヘッドには、タイプの違う2種類のモデルがあるんです。
年代によって、使用された期間が違うのですが、一つ目は1966~69年に製造された、アーリーショベルというタイプです。
アーリーショベルは、ジェネレーター搭載車のパンヘッドの腰下、つまりクランクの下部分ですね。これを流用したエンジンのことです。

次に、1970~84年に製造されたのが、コーンショベルというタイプです。
それまで、採用されていたジェネレーターが廃止されたため、軽くて小さめのオルタネーターに変更されたものです。
同時に、カムギヤケースの形状が、ピーナッツ型から五角形の小さなタイプに変更されました。
この形から、コーンと呼ばれるようになったんです。

ショベルヘッドが使用されている車種

ショベルヘッドが、開発された背景には、日本バイクの大攻勢にありました。
日本のバイク業界は、ちょうど初期の過渡期にあり、ホンダやカワサキなどの、安価な高性能なバイクに押され、ハーレーは経営が悪化していきます。
そのため、より高性能なエンジンをつくるため、ショベルヘッドをビッグツインに採用、1966年に新たに生み出されたのが、通称「アーリーショベル」と呼ばれるモデルです。

この年、FLタイプをリリースし、XL883 SPORTSTERが発売されます。
その後、ハーレーダビッドソンは、株の買い占めによる危機に陥りました。
そこで手を差し伸べたのが、AMFだったのです。そんな状況から、ようやく独立を果たし、現在の繁栄を築くことになりました。